今回は、ジ [ ʒ ]とヂ [ dʒ ]の発音の違いについてご説明いたします。
はじめに音声について説明させてください。
これからご紹介する例文のうち、左側に以下のマークがついているものがあります。
PCの場合はマウスのカーソルを、スマートフォンやタブレットの場合は指を、このマークがある英文に合わせてクリックまたはタップするとマークの色が以下のように変わり、音声が再生されます。
何度も繰り返し聞いて、表現を耳から覚えて自分のものにしましょう!
ジ [ ʒ ]とヂ [ dʒ ]の発音は別々のもの
「vision」(ヴィジョン)と「general」(ジェネラル)という単語、どちらもアンダーラインの箇所はカタカナ読みでは「ジョ」や「ジェ」と表記されます。
これらの子音は私たち日本人にとっては同じような音のグループに思われるかもしれませんが、英語の世界では大きく異なります。
発音記号でいえば
前者(「vision」(ヴィジョン))は「ジ [ ʒ ]」
後者(「general」(ジェネラル))は「ヂ [ dʒ ]」
です。
「ジ [ ʒ ]」と「ヂ [ dʒ ]」はリスニングではさほど問題になることはありません。多くの場合、聞いた単語を正しいスペルに脳内変換できるからです。
しかしながら、発音では問題になることがあります。
なぜならネイティブは「ジ [ ʒ ]」と「ヂ [ dʒ ]」を使い分けているからです。私たち日本人が「ジ [ ʒ ]」と「ヂ [ dʒ ]」をどちらも同じように発音したら、ネイティブにとってはぎこちなく聞こえてしまいます。
テクニック:ジ [ ʒ ]とヂ [ dʒ ]の違いは「sh」と「ch」の違い
ジ [ ʒ ]とヂ [ dʒ ]の違いを正しく理解するためのテクニックがあります。
それは、ジ [ ʒ ]とヂ [ dʒ ]の違いは「sh」と「ch」の違いと理解することです。
ちょっと遠回りかもしれませんが、まずは「sh」と「ch」の違いを理解しましょう。
「sh」と「ch」の違い
「sh」 の音 (/ʃ/)は、歯を閉じずに口を少し開けて、舌を軽く上の前歯に向けて近づけます。
そして、空気を吹いて、「しゅっ」という音を作ります。例えば、「シャツ」の「しゅ」の部分の音です。
「ch」 の音 (/tʃ/)は、歯を使います。歯を閉じた状態から、急に舌を離し、同時に「ちょっ」という音を出します。
例えば、「ちょっと」の「ちょ」の部分の音です。
「sh」は「シー」と続けて読むことができるのに対し、「ch」の場合は、音を発する前に急に舌を離すことで一時的に音の流れがさえぎられることから、破裂した、単発の音声となります。
実際の音声で確認してみましょう。
「sh」 の音 (/ʃ/)
share分かち合う
shopお店
shy内向的な
ship船
she彼女
「ch」 の音 (/tʃ/)
child子ども
chairいす
cheeseチーズ
chicken鶏
change変える
ジ [ ʒ ]とヂ [ dʒ ]のペアと「sh」と「ch」のペアについて
ジ [ ʒ ] の音は、「sh」の音(/ʃ/)に似ています。ジ [ ʒ ] は声帯の振動がある点が「sh」の音(/ʃ/)とは異なります。言い換えれば、ジ [ ʒ ] は「sh」に声帯の振動による声を加えたものです。
一方、ヂ [ dʒ ] の音は、「ch」の音(/tʃ/)に似ています。ヂ [ dʒ ] もジ [ ʒ ] と同様に声帯の振動があります。
言い換えれば、ヂ [ dʒ ] は「ch」に声帯の振動による声を加えたものです。
声帯の振動があるかどうかは、自分の指を声帯(のどのあたり)にあてて発音することで確認することができます。
したがって、ジ [ ʒ ] とヂ [ dʒ ] の違いを「sh」と「ch」の違いで例えると次のようになります。
- ジ [ ʒ ] は「sh」の音のような発音の仕方だが、声帯の振動がある。
- ヂ [ dʒ ] は「ch」の音のような発音の仕方だが、声帯の振動がある。
ジ [ ʒ ]とヂ [ dʒ ]の違いを実際の発音でチェックしよう!
それでは、ジ [ ʒ ]とヂ [ dʒ ]の違いを実際の発音でチェックしてみましょう。
ジ [ ʒ ]
televisionテレビ
leisure余暇
measure測定
treasure宝物
genreジャンル
decision決断
visionビジョン
casualカジュアル
pleasure喜び
fusion統合
ヂ [ dʒ ]
judge裁判官
badgeバッジ
edge縁(ふち)
budget予算
lodgeロッジ(小屋)
nudgeそっと突くこと
bridge橋
knowledge知識
fudgeファッジ(キャンディの一種)
general一般的な
いかがでしたでしょうか。理解が深まりましたでしょうか。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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