今回は、Versantに初挑戦した結果と勉強方法・役に立った教材についてご紹介します。
Versantとは?
Versantは、英語のスピーキングおよびリスニング能力を測定するためのオンラインテストです。
Versantは、AIにより自動採点されるため、結果が即座に表示される点も特徴です。
テストの結果に基づいて、受験者の英語のスピーキングおよびリスニングスキルが評価されます。
なお、Versantには、スピーキング、ライティング、プレイスメントの3種類のテストがあります。
一般的に、Versantと言えば、スピーキングテストしてのVersantを指すことが多いです。
ここでも、スピーキングテストしてのVersantとして説明いたします。
Versantがなぜ注目されているの?
Versantが注目されているのには次のような理由があります。
オンラインで受験可能
Versantは、オンラインで受験することができます。
そのため、受験者は自分のスケジュールに合わせて受験することができます。
また、受験者が都市部以外に住んでいる場合でも受験することができるため、フレキシブルな受験スタイルが可能です。
高度な技術を使用
Versantは、高度な音声認識技術を使用しています。このため、試験の自動採点において、高い精度が期待できます。
この技術により、高い信頼性を得ています。
テスト時間が比較的短い
Versantは、約20分間というの比較的短い時間で受験することができます。
そのため、受験者は短時間で英語能力を評価することができます。
客観性のある、標準化された評価
VersantはAIが採点しますので、複数の試験官が採点した場合に生じかねない、判定尺度のばらつき・個人の主観が入り込む要素がありません。
そのため、高い客観性と標準化された評価が認められています。
世界中で使われている
これまで説明してきた理由から、Versantは、世界中で使用されているため、受験者の英語能力を国際的に比較することができます。
「英語ができる」といってもその程度はまちまちですが、Versantなら、そのレベルを項目ごとにスコアで数値化して証明することができます。
英語の資格試験といえばTOEICや英検が主流の日本においても、スピーキングテストの分野ではVersantの存在感が高まっています。
CEFRのレベルも表示される
VersantはCEFR(セファール)のレベルも表示されます。
CEFRは、Common European Framework of Reference for Languages(共通欧州言語参照枠)の略称です。
学習者の言語能力を評価するための共通基準を提供するために開発されたもので、言語の習得レベルを6つの異なる段階に分類しています。
これらの段階は、A1(初心者)からC2(熟練者)までのレベルを示しています。
CEFRは、言語学習者や教師が自分の言語能力を評価したり、言語学習の進捗状況を測定したりするための共通の基準として広く使用されています。
Versantのテストの構成
テストの内容
テストの内容は次の通りです。
全部で63問あります。
A:提示された文章を、指示された順序で声を出して読むことで、「流暢さ」「発音」を診断(音読 8問)
これは、パソコンやスマホに表示された英文を読み上げるテストです。
英文が表示されているのを読むだけですので、ある意味簡単ですが「流暢さ」と「発音」はバッチリ測定されています。
B:音声で流れた文章を聞こえた通りに繰り返すことで「文章構文」「流暢さ」「発音」を診断(復唱 16問)
先ほどの「A」とは違って英文は表示されません。
流れてきた音声を暗記して、そのまま繰り返し発音します。
「文書構文」の能力はもちろんですが、英語が聞き取れtることが前提ですので、リスニング力も試されていることになります。
C:質問で使用された単語を使って回答することで「語彙」を診断(質問 24問)
言わば、英語のクイズです。
例えば、「水が氷ると何になる?」という英語の質問が流れますので、それに対して時間内に「Ice.(氷)」と答える感じです。
このクイズを通じて「語彙」力が試されます。
D:ばらばらに並び替えられた単語または単語の連なりを聞き、文章を正しく作り答えることで「文章構文」「流暢さ」「発音」を診断(文の構築 10問)
これが自分には一番難しかったです。
ばらばらに並び替えられた単語あるいはそのかたまりを聞いたうえで、正しく並び替えて発音します。
まずは読まれる単語を一度頭の中にストックしておく必要があるのですが、問題が進むにつれて、単語や文章が複雑になり、覚えきれないものもありました。
E:短い物語を聞き、内容を自分の言葉で正確に伝えることで「文章構文」「語彙」「流暢さ」「発音」を診断(ストーリーリテリング 3問)
短い英語の物語が流れますので、それを聞き終えた後、自分の言葉で正確に伝えます。
文章自体はシンプルなのですが、瞬間的に話を頭の中でまとめて英語で言うのはなかなか大変でした。
F:簡単な質問に対して自由に回答。(自由回答 2問)
例えば「住むなら都市と地方のどちらが良いか」という質問が英語で流れますので、時間内に自由に英語で回答します。
評価項目
前述の診断項目の通り、Versantでは、英語のスピーキングスキルを4つに分けて評価します。
- 文書構文
- 語彙
- 流暢さ
- 発音
さらにこれら4つの評価項目をもとに総合点が得られます。
私のスコアの詳細は?
私のスコアの詳細は以下の通りです。
「語彙」は平均を大きく超えて「63」で、反対に「発音」は相対的に低い「43」でした。
「文章構文」と「流暢さ」はほぼ総合点と同じでした。
「発音」のスコアの低さを「語彙」が補ったと言えます。
私の場合、さらに上を目指すためには、全体の底上げ、特に「発音」が重要であると分かります。
このように、自分の強みや弱みがそれぞれの項目ごとに数値化して評価されますので、さらなる上達のための分析に役立てることもできます。
正直、「発音」がこんなに悪い評価だとは思いませんでした。。。
参考:他のテストとの違い
日本のスピーキングテストの代表格としてはTSSTがあります。
TSSTも質問に対して英語で答えるタイプのテストですが、決定的な違いの一つは質問が日本語と英語とで流れるという点です。
つまり、TSSTでは英語の質問が分からなくても、日本語が分かれば十分ですので、英語のヒアリング能力は問われません。
一方、Versantにおいては、質問が英語で流れますので、回答のためには英語のヒアリング力が求められます。
また、TSSTは主に日本人を対象としたテストですが、Versantは世界中の受験者が対象です。
世界中には、英語が母国語ではないものの英語が上手な人はたくさんいます。
私は日本では英語ができるほうかもしれませんが、Versantの世界では中程度との判定でした。
Versantは「英語の勉強に終わりはない」、「上には上がいる」ということをあらためて感じさせてくれた試験でした。。。
Versant 53点のレベルは?
Versantの53点というのはどれくらいのレベルなのでしょうか?
Versantにおいて、53点から57点までの取得者は「身近な事柄において伝えたいことの要点を包括的に述べることができる」レベルと位置づけられています。
あるレポートでは、日本での平均は38点と報告されています。
私は日本人の中では平均は大きく超えていることになります。少し自信を持っていいかもしれません。
なお、「ビジネスで英語ができる上級者」は58点以上を取得した場合と定義されています。
全体の受験者のたった一割弱しか58点以上を取得していませんので、多くの人にとってはなかなか高い壁と言えます。
私の場合、近い目標としてはこの58点以上ということになります。
なお、結果をご覧の通り、私のCEFR(セファール)のレベルは「B1+」であるとも判定されました。
「B1+」は中級のやや上といった感じです。
B2になると中上級レベルとなり、さらにうえのCレベル(C1、C2)が上級レベルになっています。
53点を獲得したときの勉強方法
53点を獲得したときの勉強方法をご紹介します。
語彙力の増強
語彙力はすべての評価項目のベースになります。
「語彙」自体もVersantの評価項目の一つですが、その他の項目とも密接な関係があります。
そもそも「語彙」が十分でないと、知らない単語は読めませんし、聞いても分かりません。したがって、回答の英文を正しくよどみなく発音することができません。(「流暢さ」、「発音」に影響)
また、英語でされた質問の意味や単語が分からなければ何をどう答えればよいのかすら分かりません。(「文書構文」に影響)
私の場合、「語彙」が一番評価が高く、全体の底上げに寄与しました。
Vrsant対策で私が使用したのは以下の書籍です。
リスニング対策
Versantは聞く力も必要です。
Versant全体を通じてすべて英語で試験が行われます。
表示された英文を読み上げるタイプの問題もありますが、多くの問題は英語の音声で出題されます。
したがって、リスニングは極めて重要です。
私はオンライン英会話のネイティブキャンプの「デイリーニュース」を活用していました。
「デイリー」(daily、毎日)ですので毎日異なる新鮮な教材でリスニングを強化することができます。
また、移動時間中は英語ニュースを聞きながらリスニングのトレーニングをしていましたし、週末は海外ドラマを積極的に見るようにしていました。
こちらをご参照ください。
文章構文
Versantでは、正確な文法知識が即座に使えるかどうかも試されます。
とにかくたくさん話して練習しました。
Versantでは、質問の音声が流れてから、すぐに英語で答えなければなりませんので、正確かつ素早い文章構文能力が問われます。
TOEICのリーディングであれば自分のペースで回答できますが、Versantでは次から次へと問題が流れてきます。
何を言おうか考えているうちに時間オーバーになってしまうと、他の能力(「語彙」、「流暢さ」、「発音」)があることを示すことすらできません。
また、回答の準備のために、回答時間と同じだけの考える時間が与えられるわけではありませんので、頭の中で言いたいことを整理したり、頭の中で日本語と英語を行き来させる時間はありません。
感覚的には、すぐに英語で考えながら英語で話すといった感じです。
取り入れた学習方法は以下の通りです。
スキーピングトレーニング
スピーキングトレーニングは、ネイティブキャンプのスマートフォン用のアプリでできる自習用のトレーニングです。
スピーキングトレーニングでは4つのタイプのトレーニングができますが、瞬発力のトレーニングとしては、Part4の「自由回答」がおすすめです。
「自由回答」では、ある質問(テーマ)が与えられ、それについて賛成か反対か、あるいは自分がどう思うかなどを自由に回答します。
質問(テーマ)は英語で表示されます。また質問(テーマ)は音声での再生もあります。
30秒の準備時間がありますので、その間に何を言うのかを考える時間があります。
30秒の準備時間が終わると45秒の回答時間の間に英語で回答をします。
採点はAIが行います。
採点は以下の4段階です。
- PERFECT!(完璧!)
- EXCELLENT!(すばらしい!)
- GOOD(いいね!)
- KEEP TRYING(がんばろう!)
採点結果の画面では、回答例が表示されますので、それを参考に自分の表現力を高めることができます。
また、回答例の音声を聞くこともできます。
さらには、自分の音声が自動で録音されますので、回答例の音声と聞き比べることもできます。
新基本英文700選 (駿台受験シリーズ)
内容はとても地味で、少し昔の本なのですが、基本文法をまんべんなく取り入れていますので文法力アップになります。
他の参考書は日常やビジネスで使用頻度の高いフレーズを簡単な英語の組み合わせで表現できるように設計されたものが多いですが、これでは体系的に英文法を学ぶことはできません。
ご紹介の本は、文法・構文の秩序を重視し、理解しやすく、覚えやすく配列されていますので体系的に英文法を学ぶことができます。
本書では最初に英文の例文が表示され、次に日本語訳が記載されていますが、おすすめの練習方法は、まず日本語訳を見てから頭の中で英作文をして英語で発音してみて、その後、テキスト記載の英文と比較して正しい内容を覚える、といった方法です。
なお、1回練習しただけでは効果は表れません。
繰り返し練習することで、それまでは手が出なかった英訳がスムーズにできるようになってきます。
デイリーニュース
リスニング力増強にも取り入れている「デイリーニュース」は「文法構文」にも効きます。
なぜかというとディスカッション(質疑応答)のパートがあるからです。
レッスンの後半で、その回のニュース教材のテーマに関する質問をもとに講師とディスカッションをします。
質問は毎回異なりますので、自分がよく知らない、不得意なテーマの質問であることもあります。
そのような質問であっても講師と話題を広げて話せるようになる練習ができます。
よってデイリーニュースは、英語で話すことができる守備範囲を広げるのにちょうどいいです。
発音・流暢さ
ネイティブのようなきれいな英語をよどみなくしゃべれたらかっこいいですよね!
発音について
正しい英語の発音を身につけることは言うほど簡単なものではありません。
しかしながら、ひとたび正しい英語の発音をマスターすれば一生モノの財産になります。
英語の文法や語彙力は年月とともに忘れてしまうことがありますが、一度身につけたきれいな発音は維持が可能です。
また、日々の積み重ねが求められる文法や語彙力と比較して、人によってはきれいな発音を身につけることはさほど難しくない場合もあります。
よって、発音が得意な人は、発音を得点源にすることも可能です。(私の場合はそうはなっていませんが)
オンライン英会話では、発音に関するコースが用意されていますので、それを活用するのがよいでしょう。
オンライン英会話(自習用アプリ)の活用
ネイティブキャンプのアプリには「スピーキングトレーニング」があります。
4タイプのトレーニングのうち、Part1では「音声問題」を使って発音のチェックができます。
指定した英文を読み上げると、直後に4段階の評価が得られます。
PERFECT!(完璧!)
EXCELLENT!(すばらしい!)
GOOD(いいね!)
KEEP TRYING(がんばろう!)
また、どの点が良かったのか、良くなかったのかを「〇」と「×」で表示してくれます。
オンライン英会話をせずとも、いつでもどこでも自分の時間でスマートフォンがあれば練習できますのでおすすめです。
上達の確認は「スピーキングテスト」を活用
「スピーキングテスト」は、ネイティブキャンプのスマートフォン用のアプリでできる自習用のトレーニングです。
無料で(追加料金なしで)英語のスピーキング力の測定ができます。
いつでもレベルチェックができるのは大変便利で重宝しました。
スピーキングトレーニングと同じAI技術を使っていて、レベルは10段階、スコアは100点満点で表示されます。
評価項目は以下の4つです。
- 語彙
- 文法
- 流暢さ
- 発音
なお、このスピーキングテストは、CEFR(セファール)およびVersantとの比較の目安が掲載されていますので両者のスコア比較が可能です。
このおよその目安が分かれば、Versantを受ける前に自分のおよその実力を把握することができます。
スピーキングテスト | CEFR | Versant |
レベル1 | Pre-A1 | 20-25 |
レベル2 | A1 | 26-35 |
レベル3 | A1+ | |
レベル4 | A2 | 36-40 |
レベル5 | A2+ | 41-46 |
レベル6 | B1 | 47-52 |
レベル7 | B1+ | 53-57 |
レベル8 | B2 | 58-62 |
レベル9 | B2+ | 63-68 |
レベル10 | C1 | 69-78 |
設定なし | C2 | 79-80 |
下の図をご覧ください。ネイティブキャンプでは以下の順で記載されています。
- レベル(ネイティブキャンプのスピーキングテスト)
- TOEIC®L&R
- VERSANT
- できること
Versantを初受験した時のスピーキングテストの結果は以下の通りです。
「レベル7」はVersant換算で「53-57」ですのでばっちり合っています。
「語彙」のスコアが高く、「流暢さ」と「発音」のスコアが低いという結果もVersantと同じです。
したがって、スピーキングテストはかなり正確だと思います。
スピーキングテストについては以下の記事をご参照ください。
ご紹介のように、私の場合はオンライン英会話のネイティブキャンプををフル活用していました。
レッスンは定額で受け放題、予約なしレッスン可、自習用のアプリも充実ですので、大変役立ちました。
これがなかったら今回のスコアはなかったでしょう。
皆さんにもおすすめです。
無料レッスンでぜひ皆さんもまずは体感してみてください!
これからの自分の課題
今回のテストで浮き彫りになったのが、「文構構文」、「流暢さ」、「発音」です。
「文構構文」でいえば、「ばらばらに並び替えられた単語または単語の連なりを聞き、文章を正しく作り答える」は、これまでの他のテストでは試されることのなかった出題形式であり、とても戸惑いました。
その対策として、正確に聞き取った英語を記憶し、文法上正しく発音するためには、シャドーイングが有効だと思いますので、今後の練習に取り入れていきます。
「流暢さ」、「発音」も基礎から学習し、英語を自然に操ることができるようになる過程でレベルアップを図っていきたいと思います。
上のレベルを見たら本当に終わりがないですね。。。
成果をお急ぎの場合は〇〇がおすすめ!
成果をお急ぎの場合は専門スクールがおすすめです。
Versantのスコアアップは地道な努力が必要ですが、就職活動や転職、社内でのキャリアアップ、海外赴任へのチャレンジなどで成果をお急ぎの方もいらっしゃると思います。
そのような方には、コーチ型の英会話スクールで短期的に集中して学習されることをおすすめします。
オンライン英会話は便利ですが、どちらかというと短期・集中のゴール設定型の学習には向いていません。
Versantに特化しているわけでもありませんし、基本的に講師は付きっきりではなく、毎回変わります。
オンライン英会話は、登山でいえば、自分で地図を見ながら初めての山道を手探りで一人でゆっくりと徒歩で登っていくイメージです。
一方、コーチ型の英会話スクールでは入れ替わりの担当者ではなく、原則は専任の担当者がつきます。
受講期間を通じて同じ担当者が受講者の成長を常に見守り、サポートしてくれます。
英語のスピーキングでは発音のクセや誤りに本人が気づいていないことがありますが、コーチ型のスクールならそのようなクセや誤りも的確に指摘してくれます。
なお、VersantはAIによる能力判定が行われますが、AIからの評価を高めるためのコツがあると言われています。
Versantを知り尽くしたコーチ型の英会話スクールからそのコツを教わることで、テクニック的なスコアアップも期待できます。
登山に例えると、コースを熟知した専門ガイドが付き添い、時にはロープウェイも組み合わせて、最短距離で一気に頂上を目指すイメージです。
おすすめは以下の3つです。
どれもカウンセリングは無料ですのでまずはカウンセリングを受けることをおすすめします。
トライズ
専属コンサルタントが受講生の着実な英会話力アップをサポートします。
実際に指導を行うのはネイティブ講師です。
6ヶ月間の受講でVersantのスコアを26点から50点に伸ばした受講生もいらっしゃいます。
プログリット
プログリットは、本気で英語力を伸ばしたい人のための英語コーチングサービスです。
スケジュールの予実管理、週に1回の面談、チャットツールを用いた毎日のサポートで英語学習の継続を徹底サポートするのが特徴です。
Versantが3か月で15点もアップした方もいらっしゃいます。
RIZAP イングリッシュ
ボディメイクで「結果にコミットする」でご存じのRIZAPブランドの英会話スクールです。
英語力の分野でも専属トレーナーがマンツーマン指導で「結果にコミット」します。
30日間コース代金全額返金保証もあるので安心して受講できます。
Versantが3か月で11点もアップした方もいらっしゃいます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
Versant対策、一緒にがんばりましょう!
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