今回は、付加疑問文を豊富な例文で徹底解説します。
記事を読み終わる頃にはあなたも「付加疑問文マスター」ですよ!
一緒に楽しく学習しましょう!
まず音声について説明させてください。
これからご紹介する例文のうち、左側に以下のマークがついているものがあります。
PCの場合はマウスのカーソルを、スマートフォンやタブレットの場合は指を、このマークがある英文に合わせてクリックまたはタップするとマークの色が以下のように変わり、音声が再生されます。
何度も繰り返し聞いて表現を耳で丸ごと覚えましょう!
付加疑問文とは?
付加疑問文とは、通常の文(平叙文)に疑問を付加するものです。
英語では「tag question」と言います。
「tag」(タグ)には「付け札」や「下げ札」という意味もあります。日本語にもなっていますよね。
文章の最後に「タグ」(付加)されて疑問文を作りますので「tag question」と言います。
主に「~ですね」や「~ですよね」と訳されることが多く、相手に同意や確認を求める場合に使います。
通常の文(平叙文)が肯定文の場合の付加疑問文の作り方
- 主語を代名詞に置き換える。
- 肯定文で使われていた「(be)動詞/助動詞」を「(be)動詞/助動詞の否定の短縮形」にする。
- 主語(代名詞)と「(be)動詞/助動詞の否定の短縮形」の位置を入れ替える。
上の説明だと逆に分かりづらいかもしれませんので例文でチェックしてみましょう。
be動詞
Mary is there.メアリーはそこにいます。
先ほどのポイントに注意してこれを付加疑問文にしてみましょう。
メアリーはそこにいますよね?
「isn’t she?」の箇所が付加疑問文ですね。
先ほどのポイントを照らし合わせてみましょう。
- 「Mary(女性名)」を「she」にする。(主語を代名詞に置き換える。)
- 「is」を「isn’t」にする。(肯定文で使われていた「(be)動詞/助動詞」を「(be)動詞/助動詞の否定の短縮形」にする。 )
- 「she isn’t?」ではなく「isn’t she」にする。(主語(代名詞)と「(be)動詞/助動詞の否定の短縮形」の位置を入れ替える。)
コツがつかめましたでしょうか。
次の例文はこちらです。
That’s good.あれはいい。
付加疑問文は以下の通りです。
That’s good, isn’t it?あれはいいよね?
「That」(あれ)は付加疑問文では代名詞「it」に置き換えます。
また「That’s」は「That is」の短縮形ですので、この「is」を使って「isn’t it」になります。
うまくできましたでしょうか。
次の例文はこちらです。
He is playing football.彼はサッカーをしている。
付加疑問文は以下の通りです。
He is playing football, isn’t he?彼はサッカーをしているよね?
現在進行形のbe動詞のパターンですね。
うまくできましたでしょうか。
動詞
動詞の場合をチェックしましょう。
彼女は英語を話します。
付加疑問文は以下の通りです。
She speaks English, doesn’t she?彼女は英語を話すよね?
通常の文(平叙文)の「She」は代名詞ですので、付加疑問文でもそのまま使います。
「speaks」を否定するときは「does not speak」ですので付加疑問文ではこの「does not」の短縮形「doesn’t」にします。
位置の入れ替えは先ほどと同じですね。
できましたでしょうか。
次の例文はこちらです。
She keeps her diary in English.彼女は英語で日記をつけている。
付加疑問文は以下の通りです。
She keeps her diary in English, doesn’t she?彼女は英語で日記をつけていますよね?
先ほどと同じ要領ですね。
うまくできましたでしょうか。
次の例文はこちらです。
They lost their money.彼らはお金を失った。
付加疑問文は以下の通りです。
They lost their money, didn’t they?彼らはお金を失いましたよね?
「lost」(失った)は「lose」(失う)の過去形です。
ですので「did」の否定の短縮形「didn’t」にします。
あとは同じですね。
助動詞
助動詞のパターンをチェックしましょう。
彼は泳ぐことができる。
付加疑問文は以下の通りです。
He can swim, can’t he?彼は泳げるよね?
助動詞がある場合は助動詞を否定の短縮形にします。
(例文では「can」が「can’t」になっています)
先ほどの「speaks」の例文では付加疑問文での変化は「doesn’t」にはなりましたが、「swim」があるからといって「don’t」や「doesn’t」にはなりませんので注意しましょう。
次の例文はこちらです。
You’ll be studying hard tonight.あなたは今夜は一生懸命勉強するでしょう。
You’ll be studying hard tonight, won’t you?あなたは今夜は一生懸命勉強するでしょうね?
「You’ll(You will)」の「will」や「be」や「studying」のどれを否定の短縮形にするのか迷うかもしれませんね。
助動詞の「will」の否定の短縮形「won’t」にします。
次の例文はこちらです。
She should be elected.彼女は選ばれるべきだ。
付加疑問文は以下の通りです。
She should be elected, shouldn’t she?彼女は選ばれるべきだよね?
助動詞を使った受動態ですね。
うまくできましたか?
次の例文はこちらです。
She should have been there.彼女はそこにいるべきでした。
付加疑問文は以下の通りです。
She should have been there, shouldn’t she?彼女はそこにいるべきでしたよね?
通常の文(平叙文)が否定文の場合の付加疑問文の作り方
通常の文(平叙文)が否定文の場合は、肯定と否定が入れ替わります。
- 主語を代名詞に置き換える。
- 否定文で使われていた「(be)動詞/助動詞」を「(be)動詞/助動詞の肯定形」にする。
- 主語(代名詞)と「(be)動詞/助動詞の肯定形」の位置を入れ替える。
例文でチェックしてみましょう!
be動詞
Bob is not a student.ボブは学生ではない。
先ほどのポイントに注意してこれを付加疑問文にしてみましょう。
ボブは学生ではないよね?
「is he?」の箇所が付加疑問文ですね。
先ほどのポイントを照らし合わせてみましょう。
- 「Bob(男性名)」を「he」にする。(主語を代名詞に置き換える。)
- 「is not」を「is」にする。(否定文で使われていた「(be)動詞/助動詞」を「(be)動詞/助動詞の肯定形」にする。)
- 「he is?」ではなく「is he?」にする。(主語(代名詞)と「(be)動詞/助動詞の肯定形」の位置を入れ替える。)
コツがつかめましたでしょうか。
次の例文はこちらです。
You are not studying.あなたは勉強していない。
付加疑問文は以下の通りです。
You are not studying, are you?あなたは勉強していないよね?
現在進行形のbe動詞のパターンですね。
うまくできましたでしょうか。
動詞
動詞の場合をチェックしましょう。
彼女は英語を話しません。
付加疑問文は以下の通りです。
She doesn’t speak English, does she?彼女は英語を話さないよね?
通常の文(平叙文)の「She」は代名詞ですので、付加疑問文でもそのまま使います。
付加疑問文を作るためには「doesn’t(≒does not) 」を「does」にします。
位置の入れ替えは先ほどと同じですね。
できましたでしょうか。
次の例文はこちらです。
You don’t care about your family.あなたは家族を大切にしていない。
付加疑問文は以下の通りです。
You don’t care about your family, do you?あなたは家族を大切にしていないよね?
先ほどと同じ要領ですね。
うまくできましたでしょうか。
次の例文はこちらです。
I didn’t send the email.私は電子メールを送らなかった。
付加疑問文は以下の通りです。
I didn’t send the email, did I?私は電子メールを送らなかったよね?
助動詞
助動詞のパターンをチェックしましょう。
彼はフランス語を話せない。
付加疑問文は以下の通りです。
He can’t speak French, can he?彼はフランス語を話せないよね?
助動詞がある場合は否定形になっている助動詞を元の形に戻します。
(例文では「couldn’t」が「could」になっています)
次の例文はこちらです。
You couldn’t catch the train.あなたはその電車に乗れなかった。
付加疑問文は以下の通りです。
You couldn’t catch the train, could you?あなたはその電車に乗れなかったんだよね?
動詞「catch」があることに惑わされて「do you?」にしないようにしましょう。
次の例文はこちらです。
You won’t be going.あなたは行かない。
付加疑問文は以下の通りです。
You won’t be going, will you?あなたは行かないよね?
「won’t」や「be」や「going」のどれを語形変化させればよいのか迷うかもしれませんね。
この例文では助動詞があるので、助動詞の「won’t」を元の形に戻して「will」にします。
次の例文はこちらです。
I won’t get a bonus this year.私は今年はボーナスをもらえない。
付加疑問文は以下の通りです。
I won’t get a bonus this year, will I?私は今年はボーナスをもらえないよね?
間違えやすい付加疑問文
間違えやすい付加疑問文のパターンを見ていきましょう。
「not」はないが、「never」、「hardly」、「little」などの否定を意味する語が使われている場合
「not」はないが、「never」、「nobody」、「hardly」、「little」などの否定を意味する語が使われている場合は、形としては肯定文であっても否定文としてみなします。
あなたは決して噓はつかない。
付加疑問文は以下の通りです。
You never tell a lie, do you?あなたは決して噓はつかないよね?
「You never tell a lie.」には「not」はありませんが、「never」(決して~ない)が使われていますので否定文としてみなします。
そのため、付加疑問文は「don’t you?」ではなく「do you?」になります。
次の例文はこちらです。
You can hardly imagine such a scene.あなたはそのような情景を思い描くことはほとんどできない。
付加疑問文は以下の通りです。
You can hardly imagine such a scene, can you?あなたはそのような情景を思い描くことはほとんどできないよね?
「hardly」(ほとんど~ない)があるので文章を否定文としてみなします。
そのため、付加疑問文は「can’t you?」ではなく「can you?」になります。
次の例文はこちらです。
There is little chance of promotion.昇進の可能性はほとんどない。
付加疑問文は以下の通りです。
There is little chance of promotion, is there?昇進の可能性はほとんどないよね?
「little」(ほとんどない)があるので文章を否定文としてみなします。
そのため、付加疑問文は「isn’t there?」ではなく「is there?」になります。
「not」はないが、「nothing」、「nobody」などの否定を意味する語が使われている場合
「not」はないが、「nothing」、「nobody」などの否定を意味する語が使われている場合も、形としては肯定文であっても否定文としてみなします。
考え方は先ほどと同じですのでここでは付加疑問文の例文だけをご紹介します。
Nothing will happen, will it?何も起こらないよね?
Nobody called me, did they?誰も私に電話しなかったよね?
「I think~」または「I don’t think~」の文章の場合
「I think~」または「I don’t think~」の文章の場合は、その後に続く文章に焦点を当てて付加疑問文を作ります。
私はそれは可能だと思う。
付加疑問文は以下の通りです。
I think it is possible, isn’t it?私はそれは可能だと思うけど。
「I think~」で始まる文章ですが、文章全体としては「私が思う」かどうかではなく「それが可能」かどうかに焦点が当たっていますので「it is」を付加疑問文にします。
次の例文はこちらです。
I don’t think he is right.私は彼が正しいとは思わない。
付加疑問文は以下の通りです。
I don’t think he is right, is he?私は彼が正しいとは思わないけど。
「he is right.」(彼は正しい)自体は肯定の表現ですが、全体としては「彼が正しいとは思わない」という否定の文章です。
したがって、「通常の文(平叙文)が否定文の場合の付加疑問文の作り方」のルールに当てはめます。
かつ、意味的には「彼は正しくない」ということに焦点が当たっていますので、この個所を付加疑問文にします。
「have」が使われている場合
「have」にはいろいろな用法があるので、付加疑問文にするためにはその用法に注意する必要があります。
また、「have」は語形変化したり、短縮形になったりしますので少しややこしいです。
通常の動詞としての「have」のパターンはこちらです。
私たちはここを出なければならない。
付加疑問文は以下の通りです。
We have to get out of here, don’t we?私たちはここを出なければならないよね?
次の例文はこちらです。
We had to get out of here.私たちはここを出なければならなかった。
付加疑問文は以下の通りです。
We had to get out of here, didn’t we?私たちはここを出なければならなかったのですね。
上の例文はその前の例文の過去形です。
完了形の「have」の場合のパターンはこちらです。
私たちは窓を閉じた。
付加疑問文は以下の通りです。
We have closed the window, haven’t we?私たちは窓を閉じたよね?
完了形の「have」は「助動詞」となります。
この場合の「have」は「will」や「can」と同じですので、「have」自体を否定の短縮形にします。
次の例文はこちらです。
We had already closed the window.私たちはすでに窓を閉じていた。
付加疑問文は以下の通りです。
We had already closed the window,hadn’t we?私たちはすでに窓を閉じていたよね?
上の例文は過去完了形の「had」ですね。この「had」も「助動詞」です。
間違えやすいパターンはこちらです。
We had the window closed.
私たちは窓を閉じていた。
付加疑問文は以下の通りです。
We had the window closed, didn’t we?私たちは窓を閉じていたよね?
上の例文の「had」は過去完了形の助動詞としての「had」ではなく、「使役」の動詞としての「had」です。
この場合の「had」は通常の動詞ですので、付加疑問文では「hadn’t」ではなく「didn’t」になります。
まぎらわしいですよね。
次の例文はこちらです。
We’d better close the window.私たちは窓を閉じたほうがよい。
付加疑問文は以下の通りです。
We’d better close the window, hadn’t we?私たちは窓を閉じたほうがいいよね?
「We’d」は「We had」の短縮形です。
また「had better」は助動詞として「~するほうがよい」という意味があります。
付加疑問文ではこの「had」を「hadn’t」にします。
こちらもちょっと難しいですよね。
こちらの例文はいかがでしょうか。
We’d rather close the window.私たちは窓を閉めたい。
付加疑問文は以下の通りです。
We’d rather close the window, wouldn’t we?
私たちは窓を閉めたいよね?
この例文の「We’d」は「We would」の短縮形です。
「would rather」は助動詞として「(むしろ)~したい」という意味があります。
付加疑問文を作るには「would」を「wouldn’t」にします。
「use」、「used」が使われる場合
「use」、「used」が使われる場合も分かりづらい場合があります。
通常の動詞のパターンはこちらです。
あなたはそのスマートフォンを使っている。
付加疑問文は以下の通りです。
You use the smartphone, don’t you?あなたはそのスマートフォンを使っているよね?
「be used to」のパターンはこちらです。
You’re used to using the smartphone.
あなたはそのスマートフォンを使い慣れている。
付加疑問文は以下の通りです。
You’re used to using the smartphone, are’t you?あなたはそのスマートフォンを使い慣れているよね?
「be used to」は「~に慣れている」という意味の熟語です。
この場合はbe動詞を付加疑問文にすればOKです。
ちょっと分かりづらいと思うのがこちらです。
あなたはかつてそのスマートフォンを使っていた。
付加疑問文は以下の通りです。
You used to use the smartphone, didn’t you?あなたはかつてそのスマートフォンを使っていたよね?
この場合の「used to」は助動詞として「(以前は)~したものだった」」という意味になります。
この場合の「used to」の一般的な否定形は「didn’t use to」です。
したがって、付加疑問文では「didn’t」を用います。
付加疑問文の例外
これまでご紹介のパターンに当てはまらない例外があります。例外は例外としてそのまま覚えてしまいましょう。
「let’s」が使われる場合は「shall we?」
「let’s」が使われる場合の付加疑問文は「shall we?」になります。
一緒に踊りましょうか。
「I am」の付加疑問文は「aren’t I?」
「I am」の付加疑問文は「aren’t I?」です。
このまま覚えてしまいましょう。
私は正しいですよね?
命令文の場合
命令文の場合は、状況に応じて「will you?」、「won’t you」、「would you?」、「can’t you?」などが使われます。
以下の例文はどれも正しい付加疑問文です。
そのドアを閉めてもらえますか。
Close the door, won’t you?そのドアを閉めてもらえますか。
Close the door, would you?そのドアを閉めていただけますか。(「would you?」とするとより丁寧な表現になります。)
「can’t you?」も使えますが、少し強い口調の語感があります。
黙ってもらえないかな?
なお、「Don’t ~」の否定の命令形の場合は「will you?」を使います。
見逃さないでね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
ぜひ一緒に英語のレベルアップをしましょう!
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