一般的にはTOEIC900点台や英検一級の取得者といえば英語ができる人というイメージがあるかもしれません。
実は私は、TOEIC900点台・英検一級の取得者の一人です。
今回はそんな私のリアルな英語の実力について5段階評価で自己分析してみたいと思います。
なお、私が、TOEIC900点台・英検一級の取得者全員を代表するわけではありません。あくまでその一人としての個人的な自己分析です。
(参考)
得意なこと
語彙力・ボキャブラリー
英語学習を通じて語彙力強化に取り組んできたので、語彙力(ボキャブラリー)には自信があります。
特に英検一級では普段は使わないような単語の語彙力が求められましたので、初めて見る単語があればとにかく頭に詰め込みました。
英語辞書が頭の中に丸ごと入っているとまでは言いませんが、普段は見慣れない英単語はあまりないといった感じです。
学術書を読むこと
英語を勉強して良かったことの一つに「英語で学ぶことができる」があります。
日本語に翻訳される学術書はほんの一部で、大半は英語やその他筆者の母国語で書かれています。
もし日本語しか分からなければ誰かが日本語に翻訳してくれるのを待たなければなりません。待ったとしても翻訳されるかどうかも分かりません。
したがって、日本語版が出版されていない、英語の学術書を英語のまま読むことができるのはとても大きなメリットです。
難しい単語や未知の単語に出くわした場合は辞書の助けを得ることもありますが、基本的には原書(英文)のまま読み続けることができます。
やや得意なこと
英語ニュースを聞くこと
英語のニュースは比較的容易に聞き取ることができます。
それは英語ニュースの特徴にあると思います。
日本のニュース(例、NHK)と同じで、一般的な英語ニュースは「標準的な言葉が使われている」、「万人に伝えるために比較的ゆっくり、はっきり話される」ので聞き取りやすいです。
その反面、ちょっとアクセントの強いインタビューの会話やニュースキャスター同士のカジュアルな会話は分からなかいことがあります。キャスター同士がジョークを言い合って笑っている内容が全くわからないということはよくあります。
「標準的な言葉が使われている」、「万人に伝えるために比較的ゆっくり、はっきり話される」という特徴がある英語ニュースを学習教材とするのはとても有益です。
こちらの記事をご参考ください。
基本的な文法
TOEIC900点台・英検一級の取得者であれば基本的な文法で迷うことはないはずです。私もそうです。
特に、試験で正しい選択肢を選ぶようなタイプの文法問題には強いと思います。
なお、私の場合は自分でゼロから英語の文章を作らなければならないときに文法上のケアレスミスをしてしまうことがあります。
多くの場合は読み返すことで文法上の誤りに自分で気がついて修正することができます。
得意でも苦手でもないこと
英語の会議の参加
英語の会議の参加は英語の総合力が問われます。
相手の意見を十分に理解するためのリスニングに加え、スピーキングではスモールトーク(本題に入るまでの雰囲気づくりの雑談)や本題のディスカッションもあります。
自分の意見を正しく主張するための、文法上、発音上の正確性も重要です。
これらのスキルをまとめて5段階評価で自己分析するのは難しいですが、得意でも苦手でもありませんので、平均的な評価としました。
スピーキング
「TOEIC900点台・英検一級の取得者なら英語はペラペラ」と思うかもしれませんが、私に限って言えばそのようなことはありません。
英検一級の二次試験はスピーキングの面接(即興スピーチ)があったのですが、それにターゲットを合わせた練習を行ったおかげでなんとかクリアできました。
「英語がペラペラ」とは程遠いレベルです。
ただ、豊富なボキャブラリーや正しい文法・発音の知識があるので、さほど抵抗感なく英会話ができるといった感じです。
試験対策だけではない、本当のスピーキング能力のためにはまだまだ修行が足りません。
オンライン英会話をメインにスピーキング力アップに取り組んでいます。
英文メール
英文メールについても得意でも苦手でもないといった感じです。
日本語の場合もそうですが、挨拶から本題、締めくくりまでの英文メールのパターンはだいたい定型化されています。
ある程度の語彙力や文法知識があれば、定型化したパターンの入れ替えで英文メールの作成が可能です。
一方で、オリジナリティのある、表現豊かな英文メールが得意とまでは言えませんので、平均的な自己評価としました。
英文メール作成に役立つ鉄板の書籍はこちらです。
やや苦手なこと
海外ドラマ・洋画を字幕なしで見ること
内容によってばらつきはありますが、海外ドラマ・洋画を字幕なしで見ることはやや苦手です。
日常の場面が描かれているシーンであればセリフに加えて俳優の表情や動き、背景を手がかりに内容を理解することができます。
一方、法廷ものやマフィアもの、刑事ドラマ、学生同士の会話が多いコンテンツはお手上げ状態のことが多いです。
なお、今までは字幕を頼りに海外ドラマや洋画を楽しんでいましたが、最近は字幕なしで見ることを英語学習として取り入れています。
字幕ありの場合は視線を画面全体と字幕の間を無意識の間に行ったり来たりしていましたが、字幕なしだと画面全体に集中できます。
目が疲れませんし、何より作品をそのまま楽しむことができる感覚があります。
海外ドラマで楽しく英語学習をする方法はこちらの記事でご紹介しています。
苦手なこと
スラングや一般的には放送されない表現の聞き取り
TOEICや英検の試験対策としては、スラングや一般的には放送されない表現は覚えなくても大丈夫です。なぜなら試験に出題されないからです。
私はそのような表現は学んできませんでしたのでそれらの聞き取りが苦手です。
スラングや一般的には放送されない表現を知らないでもよいかというとそうではありません。
私たち日本人がフォーマルな会話(学校内・企業内など)とカジュアルな会話(家庭内・友人同士)とを使い分けるように、英語圏の人たちもそれらを使い分けています。
スラングや一般的には放送されない表現がどのような意味なのか、どのような場合に使われるのかが分かれば、話し手の意図が分かりますし、私たちの誤用を防ぐこともできます。
同時通訳
「TOEIC900点台・英検一級の取得者なら同時通訳もできるのではないか」と思われるかもしれません。
しかしながら、同時通訳の能力はこれらの資格取得とは全く別です。特別なトレーニングやさらなる学習が必要です。
私は同時通訳は全くできません。
同時通訳や翻訳のプロの方にとってはTOEIC900点台・英検一級は通過点に過ぎません。そこからさらにネイティブ並みあるいはネイティブ以上の語学力を身につけて専門性を高めていらっしゃいます。
(おまけ)就職・転職に強い?
こちらの評価は残念ながら「?」です。皆さんの参考になる情報ご提供ができず、申し訳ございません。
私の場合は、大学卒業後に一般企業に就職してから英語を本格的に勉強しました。同じ企業に勤めて続けていますので転職経験はありません。
したがって、TOEIC900点台・英検一級を取得したおかげで就職や転職ができたわけではありません。
でも、英語を通じて仕事の幅が広がりましたし、新たな学びの機会も得ました。海外出張の機会にも恵まれました。
英語は重要、とは誰もが理解していても実際にビジネスレベルで英語が使える日本人はまだ少数派のようです。
日本では少子高齢化が進み、マーケットとしての規模が縮小していますので、あらゆる企業が成長の機会を求めて海外に進出しています。
また、そのような背景もあり、日本の就職市場では、日系企業で働きたい外国人との競争が当たり前になっています。彼らは母国語に加え、日本語や英語も堪能な方がほとんどです。
成長の機会を海外に求めるため、また海外のグローバル人材との競争に勝つため、そして、彼らと一緒にビジネスをするためにも、たとえ生活基盤が日本にあったとしても、世界の共通語である英語を学ぶメリットは大きいと思います。
総評
私の場合は、海外での生活や留学経験がなく、国内で英語を学習しました。
そのため、教科書的なリスニングやリーディングには強いのですが、ひとたびそこから外れた海外ドラマや映画などのカジュアルな表現にはめっぽう弱いです。
スピーキングも同様で、試験対策を通じてある程度は話すことはできますが、自分が期待している、あるいは周囲がTOEIC900点台・英検一級の取得者に抱いているようなスピーキング能力はありません。
高校や大学での勉強、企業の実務などを通じて英語を駆使してきた方とのスピーキング能力とは雲泥の差があると思います。
これらの自己分析から「日頃の勉強で鍛えた分野は強いがそうでない部分は弱い」という単純な結論にたどり着きます。
今はこれまであまり鍛えていなかった部分(海外ドラマなどのカジュアルな英語、スピーキングのスキル)の底上げを図っているところです。
かつてはTOEIC900点台・英検一級を英語学習のゴールと位置づけて勉強を頑張りましたが、ゴールに到達したときの自分の英語の実力は想像とはかなり違っていました。
英語学習に終わりはありません。日々新たな学習の機会があるので毎日が刺激的でとても楽しいです。
これからも英語学習を続けていきたいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
ぜひ一緒に英語のレベルアップをしましょう!
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